「日本では良い案件はすでになくなっている」
明星は04年、村上ファンドにも大量に株を取得されているが、同ファンドが同様の手段で短期的な利益を上げたのは、よく知られているところだ。
最近、投資ファンドの間では、こうした強引な手法が目立つ。なぜか。
MBOは、もはやバブルともいえる様相を見せている。流行の理由は、創業一族の相続問題に起因していたり、「乗っ取り防止策」にも有効だからだ。
M&A仲介のレコフによると、06年1月~10月までの MBO件数は合計で66件にのぼる。その内、経営陣が投資会社と組んだのは22件だ。
前出のファンドマネージャーは次のように話す。
「数字は伸びていたとしても、日本では良い案件はすでになくなっています。対照的に米系投資ファンドは今年に入ってから続々と上陸するなど、ファンドの数が溢れてしまっている。短期的に巨額の利益をもたらすことが求められるファンドマネージャーにとっては焦らざるを得ないのです」
スティールが日清のTOBに応じると、40億円近い利益が転がり込んでくる、といわれている。