「逆らえばクビになるのではないか」
つまり、男性社員は、仕事上の「上下関係」につけこんで、立場の弱い派遣などの女性に近づく。女性は、「逆らえばクビになるのではないか」と不安になり、被害を報告しない。その悪循環が続いてきたのだという。しかし、
「行政もセクハラ被害の窓口を設けるなど、セクハラが社会問題化し、女性達も『被害を訴えてみよう』という意識が出てきているんです」
そのため、急にテレビ局内にセクハラ行為が蔓延したわけではなく、隠れていたものが顕在化してきたのだと梅澤さんは指摘する。
もともとテレビ業界はこの手のセクハラが多いといわれていた。あるテレビ局の女性職員も、J-CASTニュースに対し、
「実態が表面に出にくかっただけで、セクハラは存在していた。いろいろな話は聞いている。今年から急に増えたわけではない」
と「常習性」を認める。梅澤さんが話すように、立場の弱かった女性がセクハラに立ち向かう姿勢を強くするなか、テレビ局のセクハラスキャンダルは今後も表面化する可能性もある。