「重点外交政策の一つ」と外務省
習志野市の場合は、市役所のホームページのトップに「テレビ朝日の報道に対する抗議について」を表示している。06年10月6日放送の「スーパーモーニング」で市長選での票の『すりかえ』に対する抗議だ。クリックすると、テレビ朝日の社長宛に「貴社に対し猛省を促し、謝罪および訂正の報道を求めるものです」とした抗議文に飛ぶ。
外務省はこうした抗議文や謝罪文の掲載についてJ-CASTニュースの取材に、
「国内外に対する説明責任を意識したもので、間違いや誤解があるものについては厳重に対応していきます。重点外交政策の一つに位置付けています」
と話す。
一方、農林水産省は、
「昔は、発表といえば新聞、テレビなどのメディアを使っていましたが、情報提供の仕方も変わって、ネットを使えば効率的に(発表)できるようになりました」
とし、間違いや誤解の報道を早く広く知ってもらうのに役立てていると説明した。
ある有名週刊誌の編集長はJ-CASTニュースに、
「ある種の見せしめ効果を狙っているのではないか。昔の役人は抗議の電話をしてきたり、編集部に怒鳴り込んで来たものだ。だから腹を割って議論が交わせた。今の役人はいきなりFAXを送り付けて『謝罪文をよこせ』という」
と嘆く。
一方で、役人は既存のメディアを恐れなくなっているのではないか、という不安も感じるという。
その背景には、官公庁自身がインターネットという新たな武器を手にした、という面がありそうだ。