自由国民社の『現代用語の基礎知識2007年版』に、サッカー日本代表の柳沢敦選手がワールドカップクロアチア戦後にインタビューで答えた「急にボールが来たので」(QBK)が掲載された。2ちゃんねるなどネット上では「QBKを流行語大賞にしよう!!」といった具合に盛り上がりをみせている。
2006年6月18日のサッカーワールドカップ「日本―クロアチア」戦。0-0で迎えた後半6分。ボールを持った加地亮選手が、クロアチアゴール手前の右サイドからゴール正面に向かって突進していた柳沢選手にセンタリングを出した、その決定的瞬間。柳沢選手はシュートしたが、ボールは相手キーパーの股間を抜け右に力なくそれた。このシーンを覚えている人も多いだろう。結局試合は0-0で引き分け、日本は決勝トーナメント進出を逃した。
2ちゃんねるを中心に「笑える」話題になる
「QBK」、「現代用語の基礎知識」に収録される
試合後のインタビューで柳沢選手は、沈痛な面持ちで、
「ぼくのシュートチャンスはあの一本だけだった。急にボールが来たので。足の内側でければよかったが、外側でけってしまった」(中日新聞06年6月19日)
と答えた。 この「急にボールが来たので」が「QBK」と書かれ、2ちゃんねるを中心に「笑える」話題になった。06年6月19日に2ちゃんねるに立ったスレッドには、
「急にボールが来て入らなかったらもうどうにもなんないじゃんwww」
「パスするときはアポを取ってからにしましょうwwwwwwwwwwwww」
「急にボールが来たので、キーパーの股抜きをやってみたということか」
「まあ急にボールが来たんならしかたないな 次がんばれ」
「加地はとんでもない奴!人に向かって急にボールを蹴るなんて」
「流行語大賞に決定です」
などのカキコミが並んだ。
『現代用語の基礎知識2007年版』の用語解説には「柳沢敦選手の名言。ドイツスポーツ紙ビルトによって『芸術作品』とまで評された」と書いている。
ネット特有の温度感のある言葉
2ちゃんねるに06年11月7日に立ったスレッド「現代用語の基礎知識2007に『急にボールが来たので(QBK)』が掲載される」では、好意的に受け止めているカキコミが多い。
「QBK掲載を祝福しにきますた」
「柳沢おめ!」
「へなぎが歴史に残ったww」
「これで流行語大賞を獲れなかったら流行語大賞の意味ねえよ」
「QQQQQQQQ QBK!!!」。
中には、
「もう基礎知識でもなんでもないんだな、これ」
「ヘナギサーニョよ永遠にwしかし・・・いいのかよ、ホントにw」
などのカキコミもある。
「現代用語の基礎知識」は05年から、「はてな」と提携し、インターネットで話題になった用語を約100選び、用語解説している。07年版では約176,000の「はてなキーワード」から95の用語が選ばれ掲載・解説している。「急にボールが来たので」はその中の1つだ。同誌の編集部はJ-CASTニュースに対し、「急にボールが来たので」を選んだ理由についてこう話した。
「2ちゃんねるにコビているなどと言われることもあるが、特に恣意的なものがあったたわけではありません。他の94のワードと一緒の扱いで、話題の言葉を拾い上げていきました。ネット特有の温度感のある言葉だとは思います」。
この95のワードの中には「エビ売れ」「マイケル買い」「ネオ渋谷系」「メガネロック」「ごっつぁんアイドル 」「子猫殺し」「代打俺」「K-1(笑)」「ひょいゴール」「弁当の呪い」「さわやかヤクザ」などが入っている。