東京海上日動だけ 不払い件数少ない理由

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発覚した不払いを見ると、悪質な事例が少なくない

   だが、今回発覚した第3分野の不払いでは、医療保険加入時に食道がんの入院歴を申告しなかった契約者が前立腺がんにかかった際、本来は支払うべきなのに「告知義務違反」を理由に保険金請求を拒んだ事例に代表される悪質な事例が少なくない。「詐欺まがい」と呼ばれても仕方のない行為が目立つのだ。保険会社の存立基盤が揺らぐ問題にも関わらず、トップの体面を優先し、目先の批判をかわそうとするなら、本質的な解決にはほど遠い。実際、火災保険で保険料を取りすぎている事案も見つかっており、業界の顧客軽視と収益優先体質は底が見えない状況にある。

   金融庁は06年5、6月、不払いのあった損害保険ジャパンと三井住友海上を一部業務停止命令にした。自浄作用が働かない損保業界の体質改善は行政処分頼みなのが実情だが、先に処分を受けた2社と同様の不払いがあった会社が、「悪質性」という新たな基準で軽い処分に終わるようなら、金融庁の裁量行政復活とのそしりも免れない。

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