知られることで表面化
行政書士の小澤祐介さんが「セクハラ・パワハラ問題ドットネット」を立ち上げたのは3年前だ。当時はまだパワハラという言葉を知っている人は少なく「パワハラって何?」とよく質問されたという。相談が増えたのはここ1年くらいだというが、パワハラをする上司が急激に増えたということではないらしい。
「昔から存在していたのです。ただ、それが社員教育なのか叱責なのかわからなかった。パワハラという概念が知られるようになって、顕在化されてきたのだと考えています」
とJ-CASTニュースの取材に答えた。
それでは、パワハラを受けたらどうすれないいのか。小澤さんは、
「パワハラは法律で規定されているものではありませんから、まずは同僚など客観的判断できる人に、自分が上司から受けている行為がパワハラかどうか訊ねてみることです。さらに、その後、相談窓口に行く前にパワハラであることの客観的証拠をつかんでおくべきです」
と話す。パワハラと考えられるメールや文書を保管したり、怒鳴り声などを録音しておくのも有効だという。しかし、パワハラだったとしても、企業などがすぐに対策を講じてくれるかはわからない。
「パワハラの定義さえ知らない企業もまだ多いのです。だから対応は後手後手になっているのが現状です」
最近になってようやく、会社に似セクハラとともにパワハラの相談窓口を設置する企業が少しづつ出てきた。
「実情がやっとわかってきた状態ですので、これからは潜在していたパワハラが表面化してきます。件数もグッと増えていくと思います」
と話している。