世界各国で使用規制が始まっている
しかし、世界各国はトランス脂肪酸に警鐘を鳴らしている。デンマークでは04年1月1日からすべての食品について、同脂肪酸の含有率を2%までとする制限が設けられ、カナダでは05年12月12日から栄養成分の表示義務化の中に同脂肪酸を加えた。米国では、2006年1月から加工食品のトランス脂肪酸量の表示が義務付けられた。
また、共同通信が06年10月30日に配信した記事によれば、
「米地方自治体で同脂肪酸の入った油の使用禁止を検討する動きが広がっており、外食産業ではKFCに追随する企業が増えそうだ」
「バーガーキングも30日、一部店舗で同脂肪酸を含まない油を試験的に使用すると明らかにした。ウォルト・ディズニーも将来的にテーマパークで提供する食品やお菓子に同脂肪酸入りの油を使わない方針を決めている」
となっている。「摂取注意」ではなく、既に廃絶の動きになっていることがわかる。
「トランス脂肪酸」は「狂った油」とも呼ばれる。油の突然変異のようなもので、食用油を高温で加熱する過程や、マーガリンやショートニングなど植物油等の加工の際、水素を添加した場合などに生成される脂肪酸の一種だ。牛など動物の肉や脂肪にも含まれる。トランス脂肪酸を人が摂取すると、悪玉コレステロールが増加し、善玉コレステロールが減少。大量に摂取すると動脈硬化の原因になり、心臓疾患や発ガンのリスクを高めたり、免疫機能の低下、痴呆の引き金になるとも言われている。