「前のめりとは国連軽視の勧めに近い」
これに対し、日経新聞の同コラムは、
「北朝鮮への経済制裁を明記した決議1718は全会一致で採択された。これ以上の法的正当性はない。今回の経済制裁への協力が前のめりだとすれば、いかなる安保理決議であれ、実施に協力するのは前のめりと呼べる。それは国連軽視の勧めに近い」
と、朝日の社説を「国連軽視だ」と言わんばかりである。
さらに、このコラムでは「前のめり」という言葉を使う「歯止め論」を3つの「深層心理」に分類する。1つは、「ここで止めなくては取り返しのつかない結果になるとの危機感」。2つ目は「どうすべきか自信がないので、とりあえず歯止め論を語る場合」、3つ目は政治家が「腹の中では賛成でも国内政治の立場を考え」と語る場合。以上の3つである。
朝日社説の場合は、政治家ではないわけだから1か2ということになる。
同コラムは次のように結んでいる。
「傾聴すべき歯止め論は、第1の危機感の場合だが、安全保障分野の歯止め論には冷戦時代の感情的な『巻き込まれ』論が残る場合がある。第1の例に見えても注意を要する。北朝鮮の核、ミサイルをめぐる現在の危機は巻き込まれの危険ではない。日本にとってまさに『いまそこにある危機』である」