2006年10月29日付け日本経済新聞のコラムで、朝日新聞が槍玉に上がっている。「特定の社を批判するのが目的でない」としてX社としているが、中身は痛烈な朝日新聞批判だ。
最近メディア、とりわけ新聞では他社批判がタブーではなくなっているようだ。
日経新聞編集委員・伊奈久喜氏はコラム「風見鶏」の欄で、「『前のめり』論の深層心理」と題し、朝日新聞社説の内容を痛烈に批判している。
「社説文学」と「前のめり」の関係
日経のコラム、朝日社説を「国連軽視の勧めに近い」と批判
「『社説文学』とでも呼ぶのだろうか、新聞の社説で多く使われる言葉のひとつに『前のめり』がある」と始まるコラムは、「前のめり」という言葉の多用に疑問を呈する。そのなかで批判の対象となるのは06年10月17日付朝日新聞の「制裁論議 前のめり過ぎないか」と題した社説である。 朝日のこの社説では、周辺事態法について次のように述べられている。
「『周辺事態』を認定するにはいくつかの条件がある。たとえそれが形式的に当てはまるとしても、問題なのは今、そう認定することが妥当なのかどうかだ。武力衝突は起きてないし、むしろ緊張を高める結果にならないか。これがなければ米軍を支援できないからという理由は、議論が逆立ちしている」
米軍への後方支援を可能にするため「周辺事態」を認定するという、制裁をめぐっての議論を、朝日は「前のめり」と言うのである。