カーライルはあくまで早期の上場にこだわった?
これに対し、八剱氏はウィルコムPHSへの音楽ダウンロード機能やおサイフケータイ機能の搭載、PDAへのリナックス採用など一層の商品・サービス拡大を優先したいとされる。これらの端末・サービス充実で一般ユーザーにさらに浸透すれば、上場時の株式価値も格段に上がると考えていたようだ。しかし、投資資金の回収にシビアなカーライルはあくまで早期の上場にこだわり、八剱氏の拡大路線に対しては「これ以上営業コストをかけるより、1年後の上場に向けて財務健全化を進めるべきだと反発していた」(関係筋)といわれ、「八剱氏の事業意欲は資本の論理の前に押し切られた」(業界筋)ようだ。