亀田批判のテレ東社長 記者にダントツ人気

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   免許制のテレビ局の社長は月1回の記者会見がある。一般企業に比べれば個性豊かな顔ぶれになるが、ダントツの人気者はテレビ東京の菅谷定彦社長(67)。先日の会見でもプロボクシンクの亀田興毅選手を「日本の恥」と切り捨てた。こうした庶民寄りの発言が人気の秘訣のようだ。

   「亀田=日本の恥」発言は2006年9月末の定例会見であった。「スポーツは健全なエンタテインメント。へんなボクサーの試合以外はね」と8月の対ランダエタ戦に言及。そして、こう続けた。「完全に負けじゃあないですか。ああいう世界チャンピオンは日本の恥。態度を変えないと...」

タブーである巨人戦放送権料を暴露

テレ東社長、記者の間で大人気
テレ東社長、記者の間で大人気

   菅谷社長の矛先は中継したTBSにまで及んだ。「TBSも責任がある。健全な番組を提供するテレビ局のあるべき姿じゃない」。さらに、巨人戦中継の放送権料にも触れて「放送時の巨人の順位によって額を増減する制度を導入するよう申し入れている」と記者への"リップサービス"は止まらなかった。

   テレビ局社長の他局批判は通常はご法度だが、菅谷社長はおかまいなし。テレ東の広報は社長会見のつどビクビクだが、菅谷社長はどこ吹く風だ。これまでの"前科"も多い。
05年のNHK紅白歌合戦のさいには「みのもんたが(紅白の)司会なので古い歌をやるんでしょう。うちの路線に近づいてきた」。テレ東は紅白の裏番組で「年忘れにっぽんの歌」を放送しているのでNHKの紅白を皮肉った。
   06年5月、巨人戦視聴率低迷については「(巨人は)金に飽かせて4番バッターばかり取っているのは大嫌い。そういった雰囲気が(ファンの間に)広まっている」。さらにタブーである巨人戦の放送権料(1億円)を明らかにした。楽天のTBS株買占めには「報道機関は公正中立が大事。特定の株主が前面に出てくるのは自殺行為。三木谷さん(楽天社長)は撤退すべき」

会見の記者出席率はナンバーワン

   こうした菅谷発言のおかげか、テレ東の記者会見の記者出席率はナンバーワン。「私はモー娘のファン」と脱線したり、巨人やNHKなど"権威"に噛み付く姿勢がうけているようだ。もっとも「菅谷社長はきれいごとが多い。深夜番組ではAV女優を出演させたり、数多いテレビショッピング番組など"言動不一致"が多い」(放送記者)という批判もある。
   菅谷社長は1961年、早大卒業後、日経新聞に入社。早大時代はテニス部で活躍。日経では経済部記者として鳴らし、取締役、専務を経て99年、テレ東副社長に就任。01年から社長を務めている。
   テレ東は菅谷社長を筆頭に"日経支配"といわれるように幹部には日経出身が多い。番組も昼の「株式ニュース」、夜の「ワールドビジネスサテライト」などニュースは経済主体。制作費が少ないのを局の個性で補う。「なんでも鑑定団」、「アド街ック天国」やグルメ旅番組など他局と一味違う番組がそうだ。
   日経支配に関してはプロパー社員からの批判が絶えない。菅谷社長は「あと1代、2代かあとにはテレビ生え抜きの社長が誕生するでしょう」と語る。これは次期社長も日経出身であることを認めたようなもの。次の社長をプロパーから選べば、菅谷人気はさらに上昇するかもしれない。

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