メガバンク、窓口対応分の振込手数料引き下げ検討
こうしたトラブルを回避しようと現在、金融庁も文部科学省に対応策の検討を申し入れてはいるが、実施まであと3カ月。わかっていることなのに、告知すらしていない。そもそも本人確認法の強化は、テロ対策などの資金洗浄(マネーロンダリング)への日本の対応が甘い、との指摘による。振り込みの際も、誰がどこへいくらのカネを送金したか、をチェックしようというわけだ。もっとも、通帳やキャッシュカードを使って、振り込みをすれば、従来どおりに送金できる。
これへの対応をめぐってメガバンクや地方銀行が頭を痛めている。改正法の施行に伴い、メガバンクなどは、ATMより窓口での取り扱いのほうが手数料を高く設定しているため、「振込手数料の2重取りによる、儲けすぎ批判が再燃する」(メガバンク幹部)恐れがあると警戒する。窓口で本人確認ができなければ、振り込みそのものを受け付けないことから、「大混乱は必至」(大手地銀の幹部)。そのため、メガバンクなどは窓口対応分の振込手数料の引き下げなどの見直しに着手した。