北朝鮮の核実験 「失敗か捏造」?

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

   北朝鮮が2006年10月9日に行ったとされる核実験に疑問を呈する報道が出始めている。韓国では「ミステリー」という形で取り上げるメディアが多く、日本では「実験確認は無理」という記事のほか、「大失敗か捏造」と断じる夕刊紙もある。

放射性物質を検出できず

韓国メディアは核実験を「ミステリー」として取り上げている
韓国メディアは核実験を「ミステリー」として取り上げている

   北朝鮮が核実験を行ったと発表してから丸4日が経過したが、観測された地震波が小さいことや、実験にともなう放射性物質を検出できていないことから、核実験の成功に疑問符を付ける報道が相次いでいる。韓国のメディアでは、中央日報が10月11日、「北『史上最小核兵器』開発?北核実験7つのミステリー」という見出しで、通常、地下で核実験をすれば大きなくぼみができるが、それが衛星から観測できないことや、観測された地震の規模が小さすぎることなどを指摘している。

   朝鮮日報は、10月12日、韓国国内で放射性物質がまだ検出されていないことを挙げ、「このままでは、北朝鮮が具体的な証拠を提示しない限り、核実験は永遠のミステリーとして迷宮入りする可能性もある」とコメントしている。

   核実験の実施を世界で最も早く報じた聯合ニュースは、10月13日、韓国・地質資源研究院の地震研究センターが、人工地震の震源地の位置を当初から北北東方向へ51キロメートル修正した、と報じ、「核実験が実際に行われたかどうかの判断は留保されたままだ」としている。

読売は「最終的に確認するのは困難」

   では、日本での報じられ方はどうか。

   11日、軍事ジャーナリストの神浦元彰さんは自身のウェブサイトで、

「核兵器の常識に従うなら、北朝鮮は第1回目の核実験(10月9日)より短期間内に再度の核実験を行うのが普通である。それを行えないなら、北朝鮮の核爆弾は深刻な欠陥を持っているか、北朝鮮は核武装をする能力や意思がないとなる」

   と、2回目以降の実験がいまだに行われないことに疑問を呈している。ちなみに、98年に核実験を行ったインドは、5月11日に3回、同13日に2回の実験を行っている。さらに、同国に対抗して核保有を宣言したパキスタンは、98年5月28日に5回、同30日に1回の核実験を行っており、31日には、その映像が公開されている。これを見ても、北朝鮮が2回目以降の実験を行わないことの不自然さが際だつ。

   10月12日発行の日刊ゲンダイは、「北朝鮮核実験は大失敗か捏造」という見出しで、核実験は「本当は張り子の虎じゃないのか」と疑問を投げかけている。

   朝日新聞は10月13日、「核反応の『確証』となる放射性物質(放射能)測定の異常は12日現在、日本と韓国の観測では検出されていない。このため、両国政府は実際に核爆発が起きたかどうかの判断には慎重な姿勢だ」と報じている。同日の読売新聞は、もっと踏み込んで、政府が核実験を「最終的に確認するのは困難だとする判断を固めた」としている。

   実験を確認するのは無理だとすると、永遠のミステリーとして「迷宮入り」になりそうだ。

姉妹サイト