絶好調トヨタの背中がまた遠くなる
一方の日産・ルノーの販売台数は、それぞれの計画値を合計しても、トヨタに200万台以上も及ばない見通し。日産・ルノーの連合を組み、一度は近づいたはずのトヨタの背中がまた遠くなる――。日産・ルノーがGMとの提携実現にかける積極的な姿勢の背景には、そんな焦りがあった。GM大株主の提案という”タナボタ”とはいえ、GMとの提携話はゴーン社長にはまさに「見逃すべきではないチャンス」だった。
GMとの提携が幻に終わっても、規模拡大による「トヨタ追撃」という夢を、ゴーン社長はあきらめた様子はない。不調に終わったパリのトップ会談の直後、「北米メーカーとの提携は価値がある」と、フォードとの提携への意欲を示唆している。ただフォードは、外部から最高経営責任者(CEO)を迎えたばかりで、日産・ルノーとの提携に動くかは微妙。日産・ルノーとも販売不振で足元の業績は低迷しており、ゴーン社長の勇ましい掛け声とは裏腹に、戦略をどう立て直すか、視界は容易に開けそうもない。