2006年10月9日に、北朝鮮が行ったとされる核実験で、一般市民が一番心配するのが、放射線の影響だ。核シェルター業者には早くも問い合わせが来ている。
伊吹文明文部科学相は10月10日午前の記者会見で、各都道府県などに依頼して測定している放射線の値について、「核実験後、大きな数字の変化はない」話した。午後には、内閣の「放射能対策連絡会議」が、「緊急調査で、大気中の放射線の異常は検出されなかった」と発表するなど、核実験に関連する放射線のリスクは今のところはない、というのが政府の見解だ。
だが、放射線に対して何らかの備えをしたい、という市民は、やはりいるようだ。
10人前後収容で、1,400~1,500万円
北朝鮮の核実験で、核シェルター業者には早くも問い合わせが
最もわかりやすい放射線対策が、核シェルターだろう。爆風や高熱に耐え、放射能を遮蔽する構造になっている避難所だ。核シェルターを販売している織部精機製作所(神戸市)によると、核実験の実施から、1日で3-4件の問い合わせがあったという。同社では毎年10件前後を販売。工事費を含めた建設に必要な費用は10人前後収容できるタイプで、1,400~1,500万円。同社では、「一度に浴びる放射線の量は微々たるものでも、長期間浴びてしまうと、安全とは言えない」と、核実験の影響を警戒している。
核シェルターの次に思い出すのが、原子力発電所のニュースなどでよく出てくる、放射線の測定器だ。J-CASTニュースでは、放射線を測定する「ガイガーカウンター」を販売している佐藤商事(横浜市)に話を聞いてみた。ところが、こちらは「(核実験関連で)問い合わせが来るものかと思っていましたが、ほとんど来ませんでした」と拍子抜けした様子だった。
ちなみに、このガイガーカウンター、安いものだと5万円弱で買うことができるそうだ。