「費用対効果の考えはありません」とNHK広報
「督促倒産」も噂される費用対効果について、NHK広報はJ-CASTニュースの取材に、「公平負担を徹底してほしい、という声に答える施策ですから、費用対効果の考えはありません。それに、一気に何万、何十万人を対象に督促を出す事はないですから」と話した。しかし、「異議申し立てが相次いだら裁判費用が大変ですよね」と質問すると、
「確かに、民事訴訟で外部の弁護士を使ったら発生するカネの大きさは…まぁ、全部がそうなるわけじゃあないですから」
と答えた。
NHK問題に詳しい小坂祥司弁護士は、NHK受信料不払い者への法的措置について、
「そもそも放送法では、何が何でも受信料を払わなければならないのではなく、質の良い放送を提供する義務を果たしていることを認めて払うもの。NHKは今回の発表に便乗して、(良質な放送ではないと判断している)未払い者全員から徴収しようという姿勢ならば、おかしな話だ」
としたうえで、
「未払い者全員の強制徴収は費用的にも無理でしょう。未契約者が契約を結ばない場合は、結ばせるための裁判をして勝ち、払わない場合は督促を出し、その後にまた民事訴訟になるため、費用と時間が膨大にかかる。おそらくNHKの狙いは(今回の東京での督促などで)一定の成果を出し、それを心理的な波及効果にして徴収率を上げようとしているのでしょう」
とJ-CASTニュースの取材に答えた。
NHKが受信料徴収に法的措置を取ると発表した翌日の06年10月6日、NHKの富山放送局長(54)が、06年5月に富山市内のホームセンターで文房具など5,000円相当を万引していたことがわかった。