検察側と、堀江被告は無罪とする弁護側との壮絶な戦い
「AERA」も06年10月2日号で宮内被告、中村被告にまつわる不透明なカネの問題を取り上げた。先の香港を舞台にした部分はこう書いている。「簿外に眠る海外資産の存在に気づいた堀江はこう言って驚いたという。『えっ、ライブドアのカネで買っていたんじゃなかったの?』。自分がリスクを負わされ、自分の保有資産をもとに錬金術めいたことが行われていたことに、まったく気づいていなかったという」。
となると、宮内被告などが「ホリエモンの指示で事件が進行した」といった発言も怪しくなってくる。検察と宮内被告が「共謀」してホリエモンを主犯にしようというストーリーができているという報道もあり、週刊朝日ではホリエモンの弁護人である高井康行弁護士の、こんなコメントを載せている。
「(宮内被告が)検察が望む供述をすれば、自分の犯罪が捜査・起訴の対象にならないのでは、と暗に考えさせて調書が作られ、無罪の堀江被告が起訴された。控訴棄却を申し立てます。同時に、大鶴基成特捜部長らの証人尋問を要求します」
「AERA」では、宮内被告が隠していた事実が今後、裁判で明るみになるだろうとし、「『(味方の宮内被告)守りの砦』がガラガラと音を立てて崩れるのは、東京地検特捜部が描いた『堀江主犯』という単純すぎる構図だろう」と結んでいる。
「ヒルズ黙示録」などの著書がある「AERA」の大鹿靖明記者は、これからの裁判の展開についてJ-CASTニュースにこう答えた。
「堀江被告が主犯とする検察側と、宮内、中村が事件を主導し堀江被告は無罪とする弁護側との壮絶な戦いだ。堀江被告は(先の)海外資産など自分が全く知らないところで進んでいたと言っているが、では、今回の事件全体について何も知らなかったということはないだろう。おそらく、事実は検察側と弁護側の真ん中にあるのではないか」