「大停電」防止 コストと安定供給を考える

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送電線を新設しようとしても、用地確保ができない

   だが、一度停電が起こると、それなりの影響があるのは確かだ。「まったく停電しない」とはいかないまでも、せめて、もっと復旧までの時間を短くすることはできないのだろうか。

   可能性の一つとしては、「ルート数を増やす」ことだ。これによって、仮にどこかで停電が起こったとしても、その影響範囲を狭めることができる。だが、首都圏、とりわけ東京のようなところでは実現はかなり難しい。土地、つまり送電ルート用地の確保の問題だ。何キロにもわたる送電ルート用地を確保することは、現実には不可能に近い。それに、仮に、27万ボルトの送電線を新たに作ろうとすると、土地代を含めるとざっと1キロあたり数億円はかかり、その半分以上は土地代となるのだという。

   だとすると、地中化、つまり地下を利用することになる。ただ、これも簡単ではない。大量に電気を送るためには、ある程度太い電線を用意する必要があり、電線を埋めることができるルートは、大きな道路の下などに限られてくる。だが、地中のルートでも「めぼしいところは既に利用されている」のだという。また、現行のルートは昭和40年代に構想されたもので、一朝一夕には建設できない、という事情もある。仮にルートが確保できたとしても、「地中化すると、(地上と比べて)ひとこえ10倍」と、やはりコストの問題がのしかかる。

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