2006年9月20日の自民党総裁選後も、ネット上での「麻生太郎フィーバー」が止まらない。総裁選後に行われたネット投票でも、麻生氏がダントツの1位だ。その背景には、麻生氏が「マンガオタク」であること以外に、「ネット市民」に対して理解を示すような発言を繰り返していることにもありそうだ。
ネット社会での麻生人気は、麻生氏が総裁選に敗れてからも健在だ。それを示すのが、総裁選後に行われたネット投票だ。ライブドアが配信している「動画ニュースライブ!」でのアンケート「シングルイシュー」では06年9月20日15時から9月21日15時まで丸1日、「【ネット総裁選】あなたなら、だれに投票しますか?」というテーマで投票を募った。安倍晋三氏が総裁に選ばれたのが20日15時少し前なので、これが総裁選後では最新の「ネット世論」に近い。
ネット市民と「におい」が同じ発言
ネット投票では麻生氏が3分の2の得票で「圧勝」
投票の結果とはいうと、有効投票数261件のうち、麻生氏の支持率は67.04%と、全体の3分の2を超えた。続くのが谷垣財務大臣の22.6%で、皮肉にも実際に総裁に選ばれたはずの安倍氏は、最下位の10.34%だ。
これには、ネット市民が、麻生氏に対して持つ「親近感」にありそうだ。その「親近感」を生み出しているのが、麻生氏のネット社会に対する発言だと言えそうだ。例えば、9月19日の記者会見では、このように「ネット社会と自分との距離の近さ」について述べている。
「インターネットに参加している人達と麻生太郎というのは多分結構においが似ているんですよ。なんとなく意味をわかってくれそうな、総務大臣もやったということもあるだろうし、あまりその種の話をはねてしまうのではなく、その人達と話が通じると思われる」
さらには、総裁選直後に出演したテレビ朝日の番組では、
「ネット社会では直に反応が伝わってくる。反応がいい」
とした上で、こう続けた。
既存のマスコミが行う世論調査は偏っている
「インターネットで育った、もしくは2ちゃんねるで育った世代がさらに大きく成長してきた時というのは、また別の社会現象みたいなものが出てくるのかなぁと思いますし、速い反応が、何となく偏った世論調査とは違って、いわゆるネットが普及してくるとオンラインでつながっていくというのは世論を知る上で大きなものだと私はそう思います」
「2ちゃんねる」という言葉が現職閣僚の口から飛び出すのも異例だが、「既存のマスコミが行う世論調査は偏ったものだが、ネット社会ではそうではない」という発言の趣旨が、ネット市民の大半が持っている意見と通じるものがある、ということのようだ。
2ちゃんねるなどをざっと見ても、やはり、この発言に対しては好意的な声が多い。
「2ちゃん世代が上に立ったら、それこそ楽しみな世の中になる。 今までのマスゴミや工作員の作ってきた嘘がどんどんはがれ落ちる訳だ」
「2ちゃんねらーを重視する初の宰相候補 塩じぃ同様裏方の策略だろうが目の付け所は立派 味方につけたほうが長期的には有益だろうな」
その一方で、こうクギをさす発言もあった。
「2ちゃんに媚びるのかw」