「男性差別」への批判がネット上で高まっている。「男性差別」を弾劾するブログのほかに、女性専用車両の非合理性を検証するサイトまで登場してきている。おおむね「女性専用」が「男性差別」にあたるとの批判だが、なぜ、今、盛り上がりを見せているのか。
2006年春、JR函館駅構内に女性専用のパスタ店ができ、マスコミがこれを大きく取り上げて、物議をかもしたのは記憶に新しい。実際にネット上のブログなどでは、「女性専用」は「男性差別では」という指摘がかなり多い。しかも、ブログなどネット上を見てみると、日頃から「男性差別」を感じる人は、それ以前もかなり多いかったことが分かる。
「東横線5号車の悲劇」とは
女性専用車両には賛否両論がある
ネット上の百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」では、「男性差別」の項目が文字数にして約12,000字ほど、とかなりの充実ぶりだ。「法の下での平等」「生存権」「教育・勤労」「経済・商業活動」「マスメディア・報道」などあらゆる場面での「男性差別」を指摘している。
また、SNSのミクシィにも「男性差別」のコミュニティーがあり、「男湯に女性従業員を入れる銭湯」「飲み会の料金の不平等」についての批判が展開されている。
また、「反・男性差別blog」でもさまざまな角度から「男性差別」が批判されている。韓国での世論調査、Google Alert(ユーザーが登録したキーワードにマッチするサイトをGoogleが見つけると、メールで教えてくれるサービス)でも「男性専用」よりも「女性専用」の方がはるかにお知らせのメールが多いこと、などなど「男性差別」を感じていることが少なからず存在していることに気づく。
さらに同ブログでは、「東横線5号車の悲劇」というページがあり、東急東横線の「女性専用車」がいかに男性にとって不都合であるかを検証している。通常は最前か最後尾の車両に「女性専用車両」が配置されることが多いが、東横線の場合、5号車。それが問題なのだ、とこのブログは述べている。それはこんな具合だ。
「多摩川駅。6号車渋谷寄り付近に階段がきます。5号車も十分に階段圏内です。ところが、これに男性客は乗れないとなると、スーツの上着まで着ている男性は6号車(弱冷房車)か、渋谷駅での下車に不便になる7号車に乗らざるを得なくなります」