同じ朝日新聞でも媒体によって判断が分かれる
大手マスコミは対応が分かれた。実名・顔写真の報道に踏み切ったのは読売新聞、日本テレビ、テレビ朝日、週刊新潮。朝日新聞は匿名だったが、週刊朝日は06年9月12日発売号で実名・顔写真を掲載するなど、同じ会社でも媒体によって判断が分かれた。
実名・顔写真を出した読売新聞の東京本社広報部は、J-CASTニュースの取材に対し、
「容疑者が死亡し、少年の更生を図る見地で氏名などの記事掲載を禁じている少年の法の規定の対象外となったと判断したことに加え、事件の凶悪さや19歳という年齢などを考慮し、実名報道としました」
との回答を寄せた。あくまで少年法の理念を尊重し慎重に判断した結果だと付け加えている。
週刊新潮は自殺が発見される前に報じたが、同誌は「逃亡して指名手配されているのに、実名も顔写真も公開されていないことはどう考えてもおかしい。公表は犯人の自殺・再犯の抑止にもつながる」とコメントしている。
匿名報道を維持した毎日新聞は、J-CASTニュースの取材に対して、社長室広報担当が東京本社編集局のコメントとして「少年法の理念を尊重し、事件発生以来、容疑者の少年を匿名で報じてきましたところ、少年の死亡が確認されました。新たに重大な罪を犯すなど社会的利益を損なう危険性もなく、匿名報道を続けています」と答えた。