鳥越編集長釈明に 名物記者が「かみつく」

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   オーマイニュースの「開店準備ブログ」が「炎上」するきっかけになった、鳥越俊太郎編集長の「2ちゃんねるはゴミため」発言。これに対して、鳥越編集長はシンポジウムで「2ちゃんねるの『一部』がゴミため、と言ったつもりだった」と釈明した。ところが、「ゴミため発言」のインタビュー記事を執筆した記者が「『一部』という発言はなかった」と異例の反論を掲載した。

   発端は、2006年7月10日にIT系のニュースを配信しているニュースサイト「ITmedia」に掲載された、鳥越編集長のインタビューだ。この中では、2ちゃんねるについて、このような発言をしている。

「2chはどちらかというと、ネガティブ情報の方が多い。人間の負の部分のはけ口だから、ゴミためとしてあっても仕方ない。オーマイニュースはゴミためでは困る」

「『一部の』と言ったつもりなんだけどね」と釈明

鳥越編集長の真意はどこにある?
鳥越編集長の真意はどこにある?

   J-CASTニュースも、この発言を引用し「事実上の宣戦布告」と報じた。この発言の影響力は大きく、2ちゃんねるでは同ニュースを非難する書き込みが相次ぎ、「開店準備ブログ」にもコメントが殺到して「炎上」することになった。

   この「炎上」のきっかけになったインタビュー記事に対して、06年9月2日に都内で開かれたシンポジウムで、鳥越編集長自身が、こう釈明した。

「ごみ溜めと言われれば不愉快に思うでしょう。僕は、実はインタビューのとき、たしか『一部の』と言ったつもりなんだけどね、(記事では)2ちゃんねる全体が全部ごみ溜めみたいになって」(06年9月2日、オーマイニュース)

   つまり、記事が編集されたために真意が伝わらなくなってしまった、という趣旨だ。

   この発言に対して、インタビュー記事を執筆した記者による、異例の「反論」記事が掲載された。06年9月4日、ITmediaに掲載された「どの情報を信じますか?」という記事だ。このコーナーでは、アクセスが多かった記事に関して解説したり、取材のこぼれ話などが紹介されている。

反論したのはネット社会の「IT戦士」

   記事では、該当部分のテープ起こしをした内容をそのまま掲載、「『一部の』とは言っていない」とした上で、広報担当者にも掲載後に確認してもらったが特に修正依頼はなかった、としている。

   この記事を執筆したのは、IT関連の記事を書き始めて3年と2ヶ月になる岡田有花記者。ウィキペディアにも項目が作られ、「IT戦士」として紹介されるなど、ネット社会では「名物記者」とも言える存在だ。

   岡田さんはJ-CASTニュースの取材に対して、「これ以上炎上させたくない」と話した上で、メールで以下のコメントを寄せ、「意見表明、というよりは、事実の説明」と強調した。

「シンポジウムで鳥越編集長が『ITmediaが2ちゃんねるユーザーを煽るために、意図的に情報を操作した』という風にも取られかねない発言をされたことをOhMyNewsの報道などで知りました。今回のインタビュー記事を掲載した結果、ブログへのコメントなどの形で予想以上の反応がOhMyNewsに殺到したこともあり、ITmediaには何らそういった意図はなかった、と説明しておく必要があると感じたため、この欄を使って説明しました。意見表明、というよりは、事実の説明だととらえています」

   記事への反応については、

「『はてなブックマーク』などを見ると、私の立場を支持する意見、いさめる意見などさまざまなあり、今後の糧にしたいと思っています」
としている。

   そんな「騒動」を経ても、オーマイニュースが、ブロガーや2ちゃんねらーなどの「ネット社会」と、どのような関係を築こうとしているのかは、あまりはっきり見えてこない。

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