一番大事なのは意識改革ですね
――今後も意識改革は引き続いてやる、ということですね。
「弥生も、日本の会社になったときに、オンブズマン制度をつくりました。そこで、パワハラ・セクハラ全部引き受ける、という仕組みでした。一番は意識改革ですね。火災の避難訓練のように、年に2回やりたい」
――平松さんが、これだけの取り組みをなさって、なおかつ意識改革が必要だということは、法律だけではなくて、商売のやり方に不安を感じているということですか。
「これは『やりすぎる』ということはないと思っています。コンプライアンスというのは、自分たちの決まりを守る、と聞いたときに『なるほど』と思いました」
――なにか、平松さんの取り組みを表す「標語」のようなものはありますか。
「特に標語、ということではないんですが、ふたつのことをずっと言っているんです。ひとつは、今は赤字で『真っ赤っか』なビジネスの姿を元にもどす、ということ。次に、社会からの信頼を回復する、ということです。『社会からの信頼回復』の中にコンプライアンスが含まれるわけです。日頃の行動に、コンプライアンスが表れているか、ということが大事だと思います。ただ、1つだけは絶対避けたいことがあります。『コンプライアンスも、ガバナンスも完璧です』となっても『でも、赤字』ということは避けたいですね」