記載されている情報の「信憑性」が一番の問題
「だれでも書ける」にも問題はある。それは、記載されている情報の”信憑性”である。実際、ウィキペディアには「情報の信憑性は一切保証されていない」という但し書きがある。しかし、『週刊東洋経済(2006年8月26日号)』(東洋経済新報社)のなかで、ウィキペディア日本語版管理者の吉沢英明さんは
「編集者・閲覧者全員が監視者で、利用者が増えれば増えるほど、誤りが書き換えられる機会が増え、誤りはだんだん深刻ではなくなっていくのです」
と述べている。実際に、ウィキペディアでは不正な記述や「荒し」行為をした人には、新しい記述ができないようにブロックしたりして、一定の「正確性」を確保しようと努めている。
都内の会社員Aさんは、「自分しか知らないことを記述できる優越感がある。かつ、自分の知識をみんなのために役立てることができる」という動機から度々ウィキペディアに書き込む。
「(ウィキペディアは)善意に支えられて存続しているけど、それがなければ崩れる可能性もある」