ライブドア・平松庚三社長はJ-CASTニュースと会見し、大幅減となった広告収入を立て直し、07年早々に単月黒字の達成を目指すことを明らかにした。また、「キャッシュフロー」が670-680億円ある、と明らかにし、将来予想される損害賠償の支払いを計算に入れても、「営業黒字」を達成すれば、企業としての生き残りに問題はないことを強調した。
06年8月30日、06年9月期の第3四半期まで(05年10月~06年6月)のライブドアの決算が発表された。単独決算は営業損益の赤字額が41億円と、前年同期(11億円の赤字)の約3.7倍に膨らんだ。
残っている「キャッシュフロー」は670億円から680億円
ライブドア・平松庚三社長
平松社長は、これを「真っ赤っか」と表現。前社長の堀江貴文被告らによる証券取引法違反事件で信用が失墜し、広告収入が「事件前」と比べて半分以下に落ち込んでしまったことが大きい、という。新体制になってから、底は打ったものの、V字回復には至っていない。
この点に対して、「来年(07年)の早い時期に、(営業利益ベースで)単月黒字を達成したい。そのためには、広告収入の回復が一番重要だ。単なる商品広告ではなくて、ブランドイメージを売る広告が戻ってくることが必要だ」と述べた。
「単月黒字」にこだわるのには、こんな事情がある。経営不振に陥った大半の会社と違うのが、「ライブドアにはカネが残されている」という点だ。06年8月時点で、残っている「キャッシュフロー」は670億円から680億円。負債はほとんどない。
「損害賠償請求は、すべて法律・司法の場で解決する」
「営業利益が出れば、健康状態としては悪くない」ので、キャッシュフローがいい状態の内に営業黒字を達成すれば、会社としては持ちこたえられる、という「読み」だ。
「単月黒字」は、現在抱えている損害賠償訴訟とも関係してくる。黒字になれば、損害賠償に対する支払いをしても、少なくとも企業として存続していく見通しは立つためだ。
現在、法人・個人を含めて、約2,000人から、500億円近い請求が来ている。これとは別に、フジテレビからの請求が350億円弱。この扱いについて平松社長は「両方の株主のためにも、説明責任を果たすことが大事。法律・司法の場で解決する予定だ。裁判所による和解勧告がないかぎり、こちらから和解を申し出るようなことはない」との考えを明らかにした。
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