矛先を早くも富士通に向ける
一方のみずほ証券は、自らの誤発注の過失を認めながらも、損失額の拡大は東証のシステムに欠陥があったからだと主張して譲らない。実際に、トラブル直後に東証がシステムを改善したことを指摘し、当初の欠陥を東証が認めたことになると主張する。
法廷闘争に持ち込まれた場合、過失責任と損害賠償額の算定が焦点になるが、東証の06年6月末時点の剰余金は443億円。このほか、東証は証券会社が決算できなくなった場合に備えた積立金が173億円あり、仮に全額の支払いを命じられた場合でも対応は可能とみられるが、次期システム導入で06年度から3カ年で620億円を投じる東証の財務に影響するのは避けられない。賠償が命じられた場合、西室社長は「当然、富士通にも補償の話をしなければいけない」と漏らすなど、矛先を早くも富士通に向けつつある。