誤発注404億賠償 弁済拒否の裏側

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

   みずほ証券が2005年12月にジェイコム株の誤発注で被った損失額407億円のうち、東京証券取引所に404億円の損害賠償を求めた問題は、東証が弁済を拒否し、法廷闘争にもちこまれる見通しになった。ただ、こうなるのは関係者の間では既定路線。前例のない誤発注、しかも巨額の損失が出た事案だけに、なあなあの密室談合で解決するわけにはいかず、司法判断を仰ぐ以外に客観的な解決方法がないというわけだ。東証は司法判断しだいでは、売買システムを開発した富士通にも負担してもらい、応分の支払いに応じる方針だ。

「裁判で負ければ支払いに応じる」

誤発注問題は法廷闘争に拡大?
誤発注問題は法廷闘争に拡大?

   東証の西室泰三社長は記者会見で「東証が多額の弁済をする必要はない」と表明した。裏を返せば、東京地裁に過失責任を特定されれば、支払いに応じる姿勢を示したともいえる。東証が和解勧告などに応じた場合、賠償金の支払いをめぐり、問題のシステムを開発した富士通に損害賠償を請求するとみられ、誤発注問題は東証と富士通の法廷闘争に拡大する可能性がある。
   ジェイコム株の誤発注は、みずほ証券が誤りに気付いた後、注文の取り消しを東証のシステムに出したが、システムに拒絶されたため、5億円前後とみられた損失額が407億円に膨らんだとされる。当時の東証のシステムは、「注文に応じていったん約定した株取引を、直後に取り消すことなどあり得ない」(東証幹部)ため、証券会社が誤発注に気付いて取り消しの指示を出しても、受け付けられない仕組みだった。
   東証はトラブルの責任を取って当時の鶴島琢夫社長が辞任したが、「それは市場を混乱させた社会的責任をとったのであって、システムの欠陥を認めたわけではない」(同)というのが、表向きの言い分だ。西室社長が、陳謝しながらも「損害賠償金を支払う必要はない」と主張する理由はここにある。

姉妹サイト