日本テレビが2006年8月26日~27日に放送した番組「24時間テレビ29 愛は地球を救う」のなかで放映された「100キロチャリティマラソン」の2つのシーンがネット上で批判にさらされている。いずれのシーンも動画投稿サイトに流出し、さらなる批判の声を生んでいる状況だ。しかし、その動画が次々に消えている。
1つめのシーンは、走っているお笑いコンビ・アンガールズの2人に沿道で応援している高齢の女性が触れると、後ろから駆けつけたスタッフがこの女性の顔の間近で厳しく注意した、というもの。このスタッフが何と言ったのかは明確ではないが、番組でも叫んでいるのがわかるほどのとてつもなく大きな声での激しい「注意」にネット上では、「度が過ぎているのでは」として批判の声が上がった。
「あれは注意じゃなくて恫喝だっただろ」
「年寄りにあんな態度とってたんじゃ地球も日本も救えないよ…」
2ちゃんねるでは、こんな具合に批判が飛び交う。
動画投稿サイトYouTubeにアップされたのが批判のきっかけ
YouTubeでは2つのシーンの動画が次々と消えている
そもそも、動画投稿サイトYouTubeには、このシーンの映像がアップされ、誰でも閲覧できるようになったことがこのような批判のきっかけだ。2ちゃんねるなどの掲示板では、この動画が見れるようにリンクを張ったスレッドがいくつも立ち、批判にさらに拍車を掛けた。
日本テレビの番組制作担当者はスタッフの注意の仕方について、「配慮に欠けていた。スタッフに対しては注意した」とJ-CASTニュースの取材に答えた。
もうひとつのシーンの映像もYouTubeにアップされた。
こちらのシーンでは、走っているアンガールズの2人の姿が中継されている場面で、番組内の出演者と思われる人が、
「山根やばいって」「山根、姿慎めよ」
などとアンガールズの山根さんを嘲るような発言がマイクに拾われ、放送に乗ってしまったシーンだ。これに対しても、
「100キロマラソンやっている奴に掛ける言葉じゃないな」
「これで感動しろってんだから無理がある」
など非難する声が掲示板などで上がっている。これについては、日テレ番組制作担当者は「指摘があるのは知っているが、(公にする)コメントについては検討している段階」と答えた。
「回答を差し控えさせていただきます」という日テレ広報
いずれにしても、「不適切」とも捉えられかねないシーンだが、YouTubeでこの映像がアップされたことでさらに批判を拡大させたことは間違いない。そして、この事実を知ってのことなのか、この2つのシーンがアップされた画像はことごとく消されていて、
「この動画は著作権を所有する日本テレビの要請で、同社の許可を取っていないという理由で、削除しました」
という但し書きが添えられている。
たしかに、日テレが著作権を有する映像を勝手にYouTubeにアップするのは、著作権を侵害する行為だ。しかし、YouTubeを見る限り、日テレが放送した番組の映像がたくさんアップされているのにもかかわらず、この2つのシーンの動画だけは削除のペースが突出して速い。つまり、日テレがさらなる批判の拡大を防ぐために「問題映像」の削除を優先してYouTube側に依頼した。そう考えられなくもない。
J-CASTニュースは、番組制作担当者とは別に、日テレ広報部に10項目に及ぶ質問をした。しかし、書面で返された回答には以下の1文が記されているだけだった。
「貴殿よりの8月29日付のご質問については、回答を差し控えさせていただきます」