小泉首相が2006年8月15日に靖国神社を参拝したことを受けて、共同通信、毎日新聞、読売新聞は世論調査を行った。
世論調査では小泉首相の「靖国参拝」に賛成するひとは過半数を超えたが…
共同通信は、06年8月15日午後から16日にかけて全国緊急電話世論調査を実施した。首相の「8・15参拝」について「参拝してよかった」という回答が51.5%で半数を超えた。毎日新聞も、06年8月15日・16日に電話世論調査を実施した。参拝を「評価する」という回答は50%で、「評価しない」は46%だった。読売新聞も同期間に実施。「支持する」は「どちらかといえば」を合わせて53%、「支持しない」は39%という結果が出た。3社の調査とも、小泉首相の靖国参拝を支持する意見が半数を超えた。
このうち読売の調査によると、小泉首相が、中国・韓国の反発で中止するのはおかしい、A級戦犯ではなく戦没者の追悼が目的だ、政教分離を定めた憲法違反ではなく「心の問題」、などと説明したことに対して、「納得できる」が計59%で、「納得できない」の計35%を大きく上回った。
小泉首相の考え方に賛同しながら、次期首相に「靖国問題」の解決を求める?
また、共同・毎日は次期首相の靖国参拝について、「反対」の意見が「賛成」より多いことを紹介している。共同では「参拝すべきではない」が44.9%、「参拝すべきだ」が39.6%で反対派が上回り、毎日でも「反対」の47%が「賛成」の42%を上回るという結果になった。毎日は、この結果から「小泉首相の参拝を特別視する世論の傾向がうかがえた」としている。読売でも「賛成」と「反対」が拮抗した。
さらに、共同の調査では、同神社に合祀されているA級戦犯について「分祀した方がよい」が60.4%にも達している。また、読売の「戦没者追悼にふさわしい場所は?」との質問には、30.3%は「国立の戦没者追悼施設」、18.8%が「A級戦犯を分祀した靖国神社」を挙げ、両者の合計は「今の靖国神社」を挙げた25.4%を大きく上回っている。読売は「国民が戦没者追悼のあり方について、何らかの新たな対応を求めている」と分析している。
次期首相の靖国参拝について消極的な意見の方が多い理由はあまりはっきりしない。小泉首相の考え方とパフォーマンスに共感を覚える一方で、次期首相には「靖国問題」の解決を求めている、ともいえる。