すっかり熱冷めて 郵政民営化迷走

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ゆうちょ銀行は「焼け太り」

   4会社のトップ内定の遅れは経営計画作りにも影響。本来なら、計画の実行を担う4氏が全く計画策定に関与しない異例の展開となり、結局、7月末に公表された計画は持ち株会社、日本郵政の西川社長の意向を強く反映した金融(ゆうちょ銀とかんぽ生保)重視路線だけが目立つバランスを欠く内容になった。
   対照的に、今期、赤字へ逆戻りし、経営先行きが心配される郵便事業会社や、「他に例のない会社形態」(生田正治日本郵政公社総裁)という郵便局会社の明確なビジネスモデルは明確に示されないまま。一方で、本来、規模縮小が筋のゆうちょ銀行は、信託銀行業務への参入まで打ち出すなど肥大化路線が鮮明だ。
   「4事業のどれかがこけただけでも、郵政民営化は失敗に終わる」(公社幹部)というのに、「銀行業務にしか知見も関心もない」とされる西川社長。今秋には小泉政権の退陣とともに、後ろ盾の竹中担当相も内閣を去ることから、先行きを不安視する声も大きい。民営化の手綱裁きを誤り、経営がリーダーシップを失えば、郵政事業は再び旧郵政官僚や、労組、全特の利害の支配される旧体制に逆戻りしかねず、郵政改革の理念も画餅に終わりかねない。

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