トヨタ、リコール放置 情報開示のずさん

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「記者会見を開くのが遅かった」と謝罪

   一方で、事件が発覚した11日に記者会見を行わず、プレスリリース1枚出しただけだったトヨタの対応も批判を集めた。渡辺捷昭社長は、事件発覚から9日経った20日になってようやく会見を開き、「心配をおかけし、深くお詫び申し上げる」と謝罪。「情報の精査に時間がかかったが、(会見を開くのが)遅かったと反省している」と対応のまずさを認めた。同社が対応に手間取る間、トヨタ車のユーザーには不安が拡大し、「自分の車はリコール対象ではないのか」との問い合わせが多数、同社や販売店に寄せられていたという。
    今回のリコール放置事件で直接問われるのは、96年時点での判断の是非。ただトヨタのリコール発生件数はここ3~4年、車の高機能化や部品共通化を背景に急増しており、品質問題は経営の根幹をも揺さぶりかねない重要課題になっている。
    トヨタは昨年4月に生産、開発などの担当者を集めた品質向上の専門組織を社内で発足させ、改善点の洗い出しを進めている。また不具合情報の保存期間を5年から10年に延ばしたり、不具合車両の現物確認の体制を改めるなどの取り組みを通じ、信頼回復に全力を尽くす方針だが、今回の事件発覚とその後の対応の不手際は、世界一を目指すトヨタにさえ大きな死角があることを示した。

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