ゴーン氏は「敵対的な動きは一切しない」
日産とルノーは99年3月に提携すると、「クロス・カンパニー・チーム(CCT)」というシナジー検討チームを4分野7地域について設定した。互いに持てる経営資源を活かす道を探り、共同購買、プラットフォーム・エンジン共通化など協業を進めた。今回、GMとの間でも同様のチームを3社から専門家を出してセットし検討を行っている。
それに対してGMのアライアンスへの姿勢はよくいえば鷹揚、悪くいえば甘かった。富士重への出資はとくに効果を発揮せぬまま05年に解消。同年、経営が悪化したフィアットと手を切るために2,100億円の違約金を支払った。
これまでアライアンスで成功してきたからといってゴーン氏が今回もうまくやるとは限らない。まず、自主再建にこだわるGMが提携を断るかもしれない。つぎに、提携したとしてGMの高コスト体質や労組の反発、サプライヤーであるデルファイの再建問題などが日産・ルノーを巻き込む可能性もある。
ゴーン氏は「敵対的な動きは一切しない」と、あくまで合意のもとの連合しか意図しないことを強調した。加えて「私は日産、ルノー以外のCEO(最高経営責任者)候補ではない」「GMはアメリカのアイコン」と気配りをしてみせた。
口八丁手八丁のゴーン氏に47歳の若きエリートとしてCEOに登り詰めながら「おっとりした男」と評されるワゴナー氏がどう応じるのか。見ものではある。