ジダン頭突き 「きっこの日記」で激論

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   サッカーワールドカップの決勝戦で、ジダンがマテラッツィに頭突きをした問題で、超人気ブログ「きっこの日記」で賛否をめぐって激論が展開されている。2006年7月13日付けの「北朝鮮にヘッドバット」で、筆者きっこが「ちょっと挑発されたくらいで暴力に訴えるなんて、とてもプロのスポーツ選手とは思えない」などとジダン選手の行為を痛烈に批判したのが発端だ。

   大半のマスコミが、頭突きをする発端となったマテラッツィの「挑発的な発言」に批判的で、ジダンを擁護する中、「北朝鮮にヘッドバット」では、「試合中に相手チームの選手に悪口を言われたくらいで、短絡的に暴力に訴えるなんて、お話にもならない。どんなに素晴らしい能力を持った選手だったとしても、それ以前の、人間としての部分で、大切なことが欠落してるとしか思えない」と、ジダンの行為そのものを批判した。さらに、06年7月15日付けの「挑発に乗るのは愚か者」ではこの日記に対する読者からの賛否両論のメッセージを紹介した。

マテラッツィの「挑発的な発言」は「心理作戦」?

「きっこのブログ」では賛否両論が展開された
「きっこのブログ」では賛否両論が展開された
「マテラッティの挑発、言葉の暴力は悪くないのですか?それだって悪いことです。ミサイルを打った北朝鮮も悪いです。挑発した人間は悪くない、と言う風にもとれてしまう文章は少し悲しい」 「俳句をたしなみ、言葉を大切に扱われると思っていたきっこさんが、悪口は暴力に比べたら全然大した問題じゃないから無視しろと言うのは意外でした」

   日記に対する反発、批判がある一方、

「手を出した方が悪いにきまってますよね。挑発に軽々しくのってはいけないはずです。ちなみに、マスコミはなぜかあまり語りたがりませんが、ジダンは立派な前科者ですよ」「マスコミでは、ジダンが『善』、マテラッツィが『悪』と印象付けるような情報操作が行なわれていると感じます」

   と日記に賛同する意見があることも紹介した。
   これについて日記では、マテラッツィの「挑発的な発言」が「心理作戦」だったことを指摘し、「相手に対する暴言も『心理的作戦』として容認されてる現状では、やっぱり悪いのは相手の作戦に引っ掛かって暴力行為に出たジダンだと思う」とした。しかし、「『どっちが悪いか』って事を問う前に、非人道的な汚らしい暴言が日常的に飛び交ってるサッカーっていうスポーツ自体の下品さを問うべきだと思う」とも主張している。

日本マスコミは「ジダン擁護」が大勢

   日本のマスコミはほとんど「ジダン擁護派」だ。06年7月18日付けの朝日新聞は、「社説」で、「差別にもレッドカードを」と題し、ジダンの生い立ちなどを踏まえながら「(ジダンの)説明通りなら感情の暴発には理解できる面がある」と述べた。06年7月15日付の東京新聞も、ジダンの頭突きのきっかけになった侮辱的な発言を批判した。
   日本のネット世論は、より「ジダン擁護」が明確だ。SNSのmixiでは「ジダンMVPはく奪は絶対に反対!」「ジダンは悪くない!!」などの「ジダン擁護」のコメントで溢れている。「例えスポーツマンであっても、人間であり、自らの人格や家族を侮辱されたときは怒るのは当然だと思います」など。しかし、なかには「マスコミのジダン擁護には苛立ちを隠せません」と「差別的発言」ばかりを問題する日本のマスコミを批判する声も上がっている。

   国際サッカー連盟(FIFA)は06年7月20日にも、ジダンとマテラッツィ両者を聴聞会に召喚し、同日にも処分を発表する見通しだ。

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