「社内の風通しが悪くなっている事も大きい」
志賀氏はこう言う。
「日テレの社員は本当に頑張っているんですよ。良いアイディアも沢山生まれるのですが、出来上がった番組は、視聴者の感性とズレているんです」
誰に何を見せるかのポイントがつかめなくなっているという。その原因は、スポンサーに気を使いすぎることや、上層部の機嫌を伺っていること、視聴率低迷で社員が弱気になっていることなど色々考えられるという。
一生懸命仕事をしても成果が上がらない。それで"ふて腐れる社員"も現れ、相次ぐ不祥事はそんな雰囲気の中から生まれている。志賀氏はそんな風に考えている。
さらに、日テレトップの問題点も指摘する。
「氏家齊一郎体制が長期化し、社内の風通しが悪くなっている事も大きい」
氏家氏が日テレ社長になったのは1993年。03年に日テレ社員が視聴率不正操作をした責任を取り会長・CEOを辞任するが、代表取締役は退かなかった。2005年6月29日付けで"子飼い"と噂の久保伸太郎氏を新社長に据えた。そして取締役会議長になり、
「今後、大所高所から経営戦略全体を監視・監督する」と「宣言」、周囲を唖然とさせた、という。絶対的存在に、進言できる幹部は殆どいない。
意見を言えるとすれば読売の渡辺恒夫氏くらいだが、その気配はない。
氏家氏も「良い番組を作るように」とハッパをかけているようだが、その思いが下に伝わらず、下の思いも上に伝わらない。
「本来なら久保社長が番組制作などを含め陣頭指揮を執って、視聴率回復の実現に向かうべきだけど、彼はテレビに来て間が無く経験も浅い。日テレがかつての輝きを取り戻すまでは時間がかかると思う」