アップル側には「iPod」携帯のメリットはない
このため、ボーダフォン買収を決めた06年3月末以降、孫社長がたびたび訪米するなどして交渉を重ねているが、交渉は難航。アップル側からすれば、よほど高いライセンス収入でも得ない限り、「iPod」をソフトバンク携帯に置き換えるメリットはないためで、実現のメドが立っていない。「iPod携帯」構想は実は、ドコモが以前に検討したことがあり、「そのときも条件が全く折り合わず、交渉は早い段階で決裂した」(NTT関係筋)という。
マイクロソフトのビル・ゲイツ会長は08年に経営の第一線から退くと宣言した。これに関連し、株主総会で今後の経営者としての展望を聴かれた48歳の孫社長は「50代で事業を完成させ、60代のどこかで次の経営陣にバトンを渡したい」と語った。競争の激しいIT業界の覇権ゲームで、ゲイツ会長のように孫社長も「勝ち上がり」できるか、ソフトバンクモバイルの成否に掛かっていることだけは間違いなさそうだ。