茨城、関東つくば銀行 「復縁」説浮上

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金融当局の怒りを買ったことは間違いない

   訴訟の行方では、関東つくば銀の勝ち目はない、という見方が大勢だ。同行の06年3月期決算は、経常損益で33億3,800万円の赤字、最終損益で43億4,500万円の赤字を計上した。そこへ、損害賠償訴訟の支払いとなれば、関東つくば銀行にとって相当なダメージになる。ある第二地銀の役員は、「3月の白紙撤回の段階で茨城銀は10億円程度と損害額を示していたものの、少ないな、という印象がある」さえ言う。
   そこで浮上するのが、“復縁”説である。地銀界では、「(合併の破談が)金融当局の怒りを買ったことは間違いないし、意地もある」(地銀幹部)ので、両行とも単独での生き残りは厳しいとみている。
   茨城県内にはガリバーの常陽銀行が、デンと構える。関東つくば銀は土浦市に本店を置くように、もともと県南の銀行で県内シェアは低かった。茨城銀は、茨城県信用組合水戸信用金庫より規模で下回るから、存在意義さえ問われる事態になりつつある。
   他県をまたぐ経営統合が主流になりつつあるが、「金融当局に目をつけられた、火中の栗を拾おうと思う銀行はさすがにいませんよ。地銀連合でファンドをつくり、一時国有化されている足利銀行を含め、買い取るくらいのつもりでないと他行は手を出せません」(大手地銀の幹部)という。
   両行はATMの相互無料化などの提携関係は続けている。合併の白紙撤回が、地元取引先にプラスに働くこともなさそうだ。訴訟を潮に、再度合併に向けた調整が進められるとの見方もあながちハズレてもいなさそうだ。

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