「驕りのカルチャーがある会社のようだ」
「死亡事故を起こした会社として、シンドラー社の対応は全くもってデタラメ!」
そう「断罪」するのは、経営倫理実践研究センター専任講師で「広報力が会社を救う」(毎日新聞社刊)などの著書がある萩原誠さんだ。 萩原さんは「驕りのカルチャーがある会社のようだ」と分析する。自分の責任を認めずに他者の責任にすり替えようとしているからだ。 「例えケガ程度であっても社長が出てきて謝罪しなければいけない。会社の責任をすなおに認めることこそ、信頼される会社と言えるのに、ケン社長がテレビカメラを向けられた時もカメラを無視した」。これは、企業の危機管理の姿勢の問題だともいう。シンドラー社のように逃げ回れば逃げ回るほど、関係者の怒りは強くなり、マスコミ報道は長期化・深耕し、会社は窮地に追い込まれていく。
「驕りのカルチャーを持つようになった企業は日本企業にも増えてきた。偽装問題、回転ドア事故、ファンド…。シンドラー社を反面教師に襟を正す良い機会になればいいのだが」
萩原さんは密かに憂いている。