マスコミから「同様の事例があると聞いている」という指摘が相次ぐ
今回のような悲劇が繰り返されるリスクはないのだろうか。製造元と、保守・点検を担当した「エス・イー・シー・エレベーター(東京都台東区)」の2社にJINビジネスニュースは取材を試みた。 エス・イー・シー社は今回の事件について、ウェブサイト上で事故機と同機種のエレベーターと、シンドラー社製のエレベーターについては最優先に点検することを表明しているが、「具体的な対応は現在、役員レベルで検討中。できるだけ早く発表する」と述べるにとどまった。今回と同様のケースがあるのではないのか、という質問に対しては、「事件前には、『戸開走行(とかいそうこう、扉が開いたままエレベーターが上下に動いてしまうこと) 』のような、危険な事例の指摘が来ることはなかった」としたが、マスコミからは「同様の事例があると聞いているがどうなのか」という指摘が相次いでいることを明かした。顧客からの危険な故障の指摘はないが、マスコミ経由で危険事例が伝わって来ている、ということのようだ。 一方のシンドラー社。ウェブサイト上のプレスリリースで「事故が起こった経緯につきましては現在警視庁が捜査をしている最中でございますので当社からのコメントは差し控えさせていただきます」と、ノーコメントの旨を表明している。JINビジネスニュースでは複数回取材を試みたが、「担当者がいないので分からない。いつ戻ってくるかもわからない」と繰り返すばかりだった。