オリックスの宮内義彦オーナー、日銀の福井俊彦総裁との関係
「裁判をすれば長期化する。すると、知られたくないような事まで検察やマスコミに追及され、驚くような事実や推測がボロボロ出てくるかもしれない。村上氏は人間関係を大切にしますから、世話になった人にまで事件追及の被害が及ぶのを嫌がったんだと思います。村上氏はライブドアの堀江被告と対照的です。堀江被告は事件について否認を続け、自分が助かれば周りの仲間や恩人まで犠牲にしてもかまわない、というような対応でしたが、村上氏は『全て自分の責任』として罪を被り、周りの人間を守ろうとしたのでしょう」
村上氏が守ろうとしたのは滝沢建也、丸木強といった共に経営を支えてきた村上ファンド副社長。また、村上ファンドの設立と経営に大きく関与していたオリックスの宮内義彦オーナー。アドバイザーになっていた日本銀行の福井俊彦総裁も含まれるのではとしている。 しかし、村上ファンドは総会屋、乗っ取り屋などとも揶揄され、日本の悪しき拝金主義の象徴のようにマスコミ報道されることも多かった。今回の謝罪で溜飲を下げた人も多かったに違いない。 「今回の事件で日本の金融界や企業はどんな影響を受けるのか」という質問に対し、大鹿記者は、こう答えた。
「今でさえファンド後進国の日本なのに、さらに5年前にセットバック(後退)するでしょう。中国、インドとの差も広がり、気が付いてみたら…ということになりかねません」
『物言う株主』が退場し、ぬるま湯経営者がぬるま湯のまま存続していく。そんな危惧を抱いている。