駐車場のないお店はアウト?
いつもはトラックに積んだ野菜を道路脇に並べ「店」のように見せていたが、野菜はトラックに積んだままだ。「違反と注意されればすぐに移動できるように、商品は下に下ろせない。これじゃぁ、野菜を売っている車だなんて、誰も気付きゃしないよ」と寂しく笑った。家庭内に野菜の配達もしているが、それは5分以内に終えられるという。問題は集金。
「5分じゃ終わらない。罰金は1万5千円だから、何回か払ったら生活ができない。廃業を考えている仲間が他にもいるんです」とあきらめ顔だった。
道路脇にある商店の経営者も困っている。店の前に車を止めてもらい店の中にお客を招く事ができないからだ。ある書店経営者は自分のブログでこう書いている。
「店の前に止めたら違反になります。お客さんは確実に減り、20%は打撃を受けます。駐車場のないお店はOUTになりかねません」
横浜市にある大口通商店街協同組合でも、
「商店街全体にも影響が出ると思います。ちなみに、施行された昨日は、商店街に全くといっていいほど駐車がなく、見晴らしが良かった(笑い)。みんな気にしているんですね」
と話した。同商店街の駐禁対策としては、商店街の無料駐車場への誘導だという。しかし、昔ながらの気さくで、のどかな店が並ぶ通り。
「買い物に1店あたり20分はかかるわけですが、“車で来ないで”なんて言えません。お客を守るというのは口幅ったいですが、どんどん車で来てもらってかまいません。ほんとは、店の前で駐車して買い物を楽しんでもらえる商店街だ、と宣伝したいですよ」