「もっと働くために社員になったようなもの」
都内のブックオフ店舗。橋本さんは、パート時代には朝5時まで働いたことも
「作り上げていく喜びや新規に開店させる喜びで夢中になって働いてきました。もっと働くために社員になったようなものです。パートだと勤務時間など様々な制約があって」
従業員教育を重視する中で、橋本さんはパート時代から面倒見の良さから「お母さん」と従業員に慕われてきた。
時給600円のパートから始めたが、実質的には創業メンバーのような存在だ。坂本社長の右腕と評価され、94年には取締役、03年には常務に就任した。常務である現在も月の半分は業績不振店の建て直しで全国を回り売り場にも立つ。「社長になっても全国の店舗を回り、売り場に立って店舗の見直しや従業員と会話しながらの従業員教育をしていく。そのスタンスは変えません」
ただ、悩みがなかったわけではない。「子供が病気になった時など『私はこのままでいいのか』と、家庭と仕事の両立に迷ったこともあります」。長女は無事に嫁いだ。橋本さんもほっとしているようだ。
ブックオフコーポレーションは、91年 設立の中古本チェーン最大手。店舗数は国内外約860店舗で正社員パートを含め6,500人が勤務する。05年3月には東証1部に上場。業績は好調で、06年3月期売上は前期比11%増の422億1,200万円。経常利益は同18%増の29億7,300万円だった。