「中川と橋本連合」成立が背景にある
06年5月11日に開かれた記者会見で会長は
「チャンネルを減らせば、コストを減らせるという経済合理性だけで作る商品とは違う。文化的視点が重要だ。竹中総務大臣の私的懇談会では、議論がクローズドで行われていることもあって、(受信料の値下げとチャンネル数の削減の)何が目的で何が手段なのか、目的意識と因果関係が分からないので、なかなかコメントできない」
と強気な発言をしている。竹中平蔵総務相の放送事業に関する私的懇談会で、NHKの受信料引き下げと、チャンネル数削減の方向が出たのを受けたもので、「反竹中」を明確にしたようなものだ。
NHKのこうした姿勢について、テレビ局関係者はJINBNの取材に対し政治家の影を指摘する。
「自民党の中川秀直政調会長がNHKのバックに付いたんです」
竹中氏はNHKの縮小を目指す方針を打ち出し、一時期NHKは窮地に追い込まれようとしていた。ところが、小泉純一郎首相の任期切れが間近になり、竹中氏の影響力がここに来てぐっと低下してきた。一方で、中川氏の影響力が増し、その中川氏がNHK擁護に回っているのだという。つまり「橋本・中川連合」が成立したため、強気になっているという解説だ。