スーパーで1個60円、70円もする赤卵を使う
先の岩本専務は「かけご飯の場合、スーパーで買っても60円から70円もする赤卵が食べられていることが多い。米、卵、醤油の3点セットのギフトも好調です」と話す。
「高級志向」はなぜなのだろうか。そんな疑問に対し、シンポジウムを企画した吉田ふるさと村ではこう話す。
「日本人はもともと卵好き。でも、鳥インフルエンザ、アレルギーなどで敬遠する人が増えていました。しかし、高級な卵は生産者の顔がわかるし、『高いからいい』という価格信仰もあって、安心するんです。それがブームを支える要因の一つです」
赤卵が好まれるのも、通常の白卵だと不安なイメージがあるからだという。つまり、最近の大ブームのきっかけになったのは、専用醤油の登場だけでなく、鳥インフルエンザの影響で日本人が食の安心感を求めた、という見方だ。
卵がけご飯は日本古来からあるファーストフード。そして美味しい。卵の溶き方やご飯へのかけ方、薬味の使い方など“自分流のウンチク”を持つ人も多く、論議を始めれば尽きない。そんな楽しみ方が卵がけご飯ブームを盛り上げている。