金融庁はアイフルをスケープゴートにした
銀行との業務提携が進む一方で、独自色を打ち出して生き残りを図る消費者金融もある。アイフルは信販会社のライフを買収。三洋信販はマイカルカード(現・ポケットカード)を買収した。武富士が、クレジットカードのマスターカードと提携したのも、消費者へのイメージアップの一例だ。
こうしたなか、アイフルは05年1月に、東京都に本店を置く第二地方銀行の東日本銀行の筆頭株主に躍り出るなど、銀行傘下に入るのではなく、自らが銀行を傘下に置こうとしたほど、独自色の維持に躍起になっていた。
アイフルに限らず、消費者金融業者の未来は決して明るくない。借り手の保護を理由に貸出金利の上限が法制化される流れがある。また、金利が上昇局面に転じ、資金調達コストが上がって、利ザヤはさらに薄くなる。銀行の傘下であれば資金調達も余力があるが、独立系はそのパイプが細い。
したがって、資金回収の重要性はますます高まり、自らが生き残るためにもトップはムチを振るって貸金回収に全力をあげることになる。つまり、これからもっと悪質な貸金回収が増える懸念があった。
そこで金融庁としては、アイフルをスケープゴートに、違法な取り立てに警告を発しておく必要もあった、というわけだ。