行政機関や病院も郊外へ移転する
80年代半ばから、日本では中心市街地の疲弊が続いている。閉店が目立つ「シャッター通り」となる商店街が増え、行政機関や病院といった都市のインフラ機能も郊外へ移転してしまった。一方、郊外では次々と大型のショッピングセンター(SC)が出現。人工的で、クローズドな「街」が次々と生まれてきた。特に地方でその傾向が顕著だ。
欧米でも大型店出店は大きな社会問題になっている。米国では州ごとに厳しいゾーニング規制がある。英国でも条例によって実質的に大型店の出店は厳しく規制されている。
「郊外化」が進めば、都市機能の無秩序な膨張を招き、道路や上下水道など新たなインフラ投資が必要になる。その一方で日本は、世界に先駆けて人口減少社会を迎える。社会構造の大変革に対応するには、市場原理だけでいいのか、という指摘が次第に重みを増している。