日本の役所は文書で「ロジック」を求められると弱い
日本の役所は「あうんの呼吸」で民間を指導しているから、文書で「ロジック」を求められると弱い。ともかく法を盾に押しまくることだ。最近は、この手が効くようになった。外国企業が少なかったころは、正面から見解を求めても相手にされなかったが、「行政の透明性」が求められるようになり、役所も粗略な対応は出来なくなった。このやり方は正攻法だが、相手によっては役所との関係がギクシャクすることもある。「うるさい相手」と見られて必ずしも好意的な扱いを受けないこともある。
もう一つは、日本の教えにある「郷に入らば郷に従え」というやり方だ。
役所には頭を低くし敬意をもって接する。頻繁に出かけ担当者を接点を持つ。
機会をみて食事したりゴルフをして、相談できるような人間関係を作る。可能なら業界団体に入って、仲間内の活動で汗をかく。天下っている役所のOBと仲良くなって、役所の内部事情や本音など情報を取る。役所の人を紹介してもらうことも可能だ。身内の紹介があると、対応が違う。業界で役員などを務めて交渉力を高めるのも一案。外国企業だけで業界を作って役所と関係を作ることも可能だろう。その際、役所に影響力のある政治家を顧問に迎える、という手もある。ただその場合、金集めのパーティーをその政治家が開いたとき、パーティー券を買わされる恐れがある。
正面から攻めるか、融和策に出るか、判断するのは経営者の仕事だ。
文: 山田厚史