「きっこの日記」が耐震偽装問題などで正確な情報を提供してきたのは確かだが、すべて中身が正しいのかというと、それは違うようだ。ホリエモン事件がらみでは、「真実だとは思えない」記述が散見される。ネット上では「きっこの疑惑」について取りざたする動きも出てきた。
「週刊ポスト」の2月24号にライブドアの広報を担当していた乙部綾子氏のインタビューが掲載されている。2006年1月末に香港経由でマニラに入り、多額の現金を運んだ、などの疑惑について直撃している。実はこの話、「きっこの日記」はすでに書いている。
乙部氏 「疑惑」を全面否定
ライブドア広報・乙部氏はマニラ行きを完全否定。「お仕事日記」は、事件以来更新されていない
●乙部は、ある人物から、今週の頭にフィリピンのマニラへ飛ぶようにと、次なる極秘の「お使い」の指令を受けたのだ。それも、ダイレクトにマニラに飛ぶんじゃなくて、まずは、沖縄で殺された野口英昭が役員をつとめてた(中略)会社がある香港へ飛び、香港である人物と会うように言われた。(2月2日)――
「週刊ポスト」の記事で注目されるのは、乙部氏が堂々とインタビューに応じ、しかも「疑惑」を強く否定している点だ。
Q. 香港経由でマニラに現金を運んだのは事実か。
A. 行くわけないでしょう。マニラには1度も行ったことがありません。私のパスポートを見ればすぐに分かるはずです。
「パスポートを偽造したりしない限り、普通ここまで否定はできないはずだ。
「ホリエモンは実は自供」の真実度
ほかにも「あれ?」という内容がある。例えば1月28日のホリエモンについての記述だ。
●取調べ官が、「宮内が吐いたぞ」「岡本も吐いたぞ」って言ったトタンに、目が泳ぎ出し、体が小刻みに震え出し、おでこからアブラ汗が流れ始めたそうだ。そして、サスガにすべてを否定し続けることはムリだって思ったようで、相変わらず自己弁護を繰り返しながらも、不正の一部については仕方なく認め始めた。――
ホリエモンは実は自供を始めた、ということだ。本当だとすれば、これも大トクダネだ。ただ、その後、「自供」の記事はどこにも見当たらず、起訴の段階でも「全面否認」と報道されている。2月13日起訴された堀江元社長は「応じるのは雑談程度で、逮捕容疑を全面的に否定する姿勢に変化はない」(日経新聞)。ほかの新聞、テレビも「自供せず」で一致している。
仮にホリエモンがすでに自供している、とする。それは検察が何かの意図で隠していることになる。ただ、すべてのマスコミが長期間騙されることは考えにくい。それに「検察がひた隠しにするネタでもない」(大手新聞記者)。
JINBNでは、「きっこ」氏に「マニラ渡航説」の理由や根拠を尋ねているが、いまのところ返事はない。