アリコの契約、13%超の伸び率
がん保険を得意とする外資系保険会社が、大きく契約を伸ばしている
国内大手生保はこれまで、顧客にとって受け取る保険金も多額な代わりに長期にわたって高額な保険料支払いが続く「死亡保険」を主力に営業を展開してきた。しかし同保険の加入率はすでに国民の9割を超えて市場は超飽和状態。高齢化社会の本格到来で顧客のニーズも保険料負担の比較的軽い年金保険や医療保険といった「生前給付型」商品に急シフトしつつあるとされている。
いまの国内勢の苦境は、こうした市場の変化に対応し切れていない経営の実態をまさに浮き彫りにしているともいえるが、その間隙を突く形で業績を伸ばしているのが、従来からがん保険などを得意としてきた米アメリカンファミリー保険(アフラック)やAIGなどの外国勢だ。上半期の保有契約高はアフラックが5.1%拡大したのをはじめ、AIG傘下のアリコジャパンでは、保有契約保険料が13%超の伸び率となるなど軒並み好調を持続させた。
金融関係者は「いまの国内生保の営業組織は(大量の営業職員を投入しての対面販売という)死亡保険販売を前提に構築されている。商品構成を医療保険中心に移そうとするとこれら営業基盤の崩壊を招く恐れもあり、急速には舵を切れない」と指摘する。日本の生保市場の"内低外高"状態はここしばらく続くとの見方が有力だ。