富士重系列化もトヨタによるGMの救済策
トヨタ自動車は05年10月、国内中堅自動車メーカーの富士重工業に資本参加することで合意した。富士重はGMとの資本・業務提携を解消、GMが保有する富士重株のうち、発行済み株式数の8.7%に当る6800万株を354億円でトヨタに譲渡。残る11.7%分の保有株は市場で売却して富士重がこれを買い入れる。GMの傘下から事実上、トヨタグループに「籍」を移す格好だ。富士重の企業価値は「技術力の高さと独創性にある」とされ、それにトヨタが注目した、といわれるが、最大の目的は、トヨタによる、資金繰りに苦しむGMの救済だと日本では見られている。
競争相手としてのGMの影が薄くなるにつれ、ライバルとして急浮上してきたのが現代自動車だ。2005年の1-9月の世界販売は前年同期比11%増の約180万台。年間ベースだと200数十万台となる計算だ。日本の三菱自動車の販売台数を上回っている。ホンダの2005年の世界販売の見込みが約340万台。日本メーカーの背中が見え始め、抜き去りにかかろうというところだろう。
1-9月の海外生産も前年期比44.7%増の約45万台と好調だ。成長が著しい中国の自動車市場では、2000年のシェアは、韓国系はゼロに近かった。しかし、2004年のシェアを見ると、欧州系が大きく落として31.3%、米国系と日本系はともに伸びて、12.9%と28.2%だった。現代自動車を中心に韓国系も中国市場に食い込み始め、8.3%。2005年の1-8月のシェアを見ても、欧州系20.6%、米国系12.9%、日本系29.7%、韓国系11.5%。1-10月はさらにシェアを伸ばし、韓国系の勢いは加速している。現代は、中国だけに限らず、北米でも事業を強化し、グローバル展開を目指している。