次世代DVD、物別れのまま製品化へ

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多くの観覧客でにぎわうCEATEC JAPAN会場(2005/10/7、幕張メッセ)
多くの観覧客でにぎわうCEATEC JAPAN会場(2005/10/7、幕張メッセ)

 次世代DVDの規格統一交渉は物別れに終わり、 HD-DVD陣営、ブルーレイディスク陣営 とも、それぞれ独自に製品化に踏み切る情勢 となった。しかし、肝腎のソフトウエア、コ ンテンツの業界は両規格への採用を明確にし ておらず、主導権争いの行方は混沌とする一 方だ。
 東芝は2005年末にHD-DVD搭載のパ ソコンとDVDプレーヤーを投入、一方、ソ ニーは06年春にブルーレイディスクを採用 したゲーム機「PS3」を発売し、いよいよ 販売現場での主導権争いが始まる。

青色レーザーを用いる点は、両陣営とも同じ

技術展示されたブルーレイディスクプレーヤ(2005/10/5、幕張メッセ)
技術展示されたブルーレイディスクプレーヤ(2005/10/5、幕張メッセ)

   05年10月4-8日、千葉・幕張メッセで開かれた情報通信機器の国際展示会「シーテック・ジャパン2005」――。東芝はHD-DV Dプレーヤーを参考出展し、来場者の注目を集めた。西田厚聰(にしだ・あつとし)社長も姿を現す力の入れようだったが、関係者の間で話題となったのは、ブルーレイディスク陣営を主導する松下電器産業の中村邦夫(なかむら・くにお)社長が東芝ブースを訪れ、西田社長と名刺交換したこと。
 両陣営は当初、トップレベルで規格統一を進めているのと強調していたが、「今ごろ名刺交換しているようでは、どこまで真剣だったか分からない」という声が上がった。
 次世代DVDの規格は、東芝、NECを中心とするHD-DVDと、ソニー、松下が主導するブルーレイディスクに分かれたまま歩み寄りできなかった。短波長の青色レーザーを用いて高密度記録を実現している点は、いずれも同じ。ただ、HD-DVDは製造コストが安価なものの、記憶容量が片面15ギガバイトに留まり、逆にブルーレイディスクは 25ギガバイトまで容量があるが、高コストという弱点がある。

焦点は、米映画産業の動向だ

  パソコン業界では9月、米国のマイクロソフトインテルがHD-DVD支持を表明し、東芝、NECは気を良くしている。が、ゲーム業界はソニーの「PS3」発売に合わせてブルーレイディスクに流れており、用途によって勢力図は異なる。
  焦点は、やはり次世代DVDの主要コンテンツになるとみられる米映画産業の動向だ。ハリウッドは当初、コピー防止機能に優れる HD-DVDを評価し、ワーナーブラザースユニバーサルピクチャーズパラマウントピクチャーズが支持した。ここへ来てパラマウントやワーナーはブルーレイディスクにも対応すると表明し、「ブルーレイ有利」との見方も浮上している。
  ブルーレイディスクは、ソニーピクチャーズ(旧コロムビアピクチャーズ)のほか、2 0世紀フォックスディズニーが支持。さらにソニーがMGMに資本参加した結果、米カラー映画のほぼ半分がブルーレイディスク陣営に収まるという。

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